新八代駅に到着し肥薩おれんじ鉄道線に乗り換え。『あれ?肥薩おれんじ鉄道線は八代で乗り換えなのでは?』と思った方もいるのでは?実は、肥薩おれんじ鉄道線は一部の列車が新八代駅まで乗り入れており今回乗車する列車も新八代始発なのです。
そんな新八代駅から乗車する肥薩おれんじ鉄道のHSOR-100形気動車ですが、よく見ると・・・


大量のくまモンが!!
おれんじ鉄道と同じ熊本を走る熊本電気鉄道にもくまモンのラッピングが施された電車が走っていますが、そちらに負けないくらい派手な外観です。そして車内はと言うと



車内にも大量のくまモン!!
どこを見渡しても至る所にくまモンがいて、特にロングシートには巨大なくまモンが1席分着座し圧倒的な存在感を放っています。以前、高松琴平電気鉄道(ことでん)開業100周年記念として運行されていた「ことちゃん ひやく号」の車内にマスコットキャラの「ことちゃん」が座っていたのを思い出し、地方鉄道ならではの事だなと感心しました。
新八代駅を出発した列車は次の八代駅で多くの乗客を乗せて肥薩おれんじ鉄道線に入りました。日奈久温泉〜肥前高田駅間では八代海が右手に現れ、この後も所々で海を車窓から見渡すことができます。袋〜米ノ津駅間で鹿児島県に入ると出水(いずみ)駅に到着。新幹線も停車し、おれんじ鉄道としては八代駅と川内駅のほぼ中間にあり、車両基地が併設されるなど同鉄道の主要駅の一つとして重要な存在感を誇っています。出水駅を出発し左手にある車両基地ではおれんじ鉄道の車両たちが休息をとっており、その中には運転士不足の影響で今年4月から運休が続く観光列車「おれんじ食堂」の姿も。折口駅を過ぎると今度は東シナ海が右手に現れ風光明媚な景色はまだまだ続きます。
新八代駅か乗車して2時間が過ぎ、列車は薩摩高城(さつまたき)駅に到着。ここで下車して駅のすぐのところにある砂浜に向かうことに。

駅構内は1面2線で相対式ホームの無人駅。元・鹿児島本線というだけあってホームは長くとられていますが、現在の有効長は3両分まで。そのため、使用されない部分には柵が立てられ有効長が短くなってしまいました。
そんな駅の近くにある砂浜へは2番線ホームに直結する遊歩道を歩き、防砂林を抜けると・・

砂浜の向こうに広がる東シナ海。波の音が心地よく聴こえ、訪れた者に対して癒しと落ち着きを与えているような感じがしました。
さらに、こんなものも・・

ハート形に置かれた石とハート形にくり抜かれた板と鐘。まず板は何かというと・・


ハートの形に見えるくぼみが正面にあるのですが皆さんには見えますでしょうか?続いて鐘は何かと言うと・・

学問の神様として知られる菅原道真の伝説にちなんだ「放ちの鐘」。放し事、捨て事、絶ち事、縁切りを念じながら鐘を鳴らすと願いが叶うのだそうで、幸せを願うハートロックとはずいぶん対照的なものを置いてるなと思いました。
ちなみに、かつてこの一帯は海水浴場だったのですが、浅瀬が少なく潮の流れも早いため遊泳禁止となり、その後は草や木に覆われ荒廃していましたが2013年におれんじ鉄道の社員らによって整備が始まりその結果、海岸に通じる遊歩道はきれいに整備され、砂浜を一望できる展望台が設置されたりと気軽に訪れやすくなりました。2番線ホームには、整備前から現在の姿になるまでを収めた写真があり、整備に携わった人たちの想いや情熱を感じました。
私はこの駅をテレビ東京系ドラマ「鉄オタ道子、2万キロ」を観て知ったのですが、ドラマを観てなかったらこんなにも素晴らしい駅が九州にあることを今も知らなかったのかもしれません。
そんな薩摩高城駅を後にしさらに南へ・・
つづく