【新型】りんかい線71-000形ついにお披露目!

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2025年7月1日、東京臨海高速鉄道りんかい線の新型車両71-000形(ななまん いっせんがた)がお披露目されました!
ビコム取材班も取材に参加させていただきました!


一言で言えば、E233系のようで一味違う。

スピード感のあるシャープなデザインと、高級感や上質さを感じさせるデザインをテーマに、ウォーターフロントの美しい眺望や洗練された都市空間の上質さを備えた車両。
そのコンセプトの通り、りんかい線の次世代車両にふさわしい優美な車両に仕上がっていますね!

先代70-000形の丸みのある面影をオマージュしつつ、親しみを感じさせる「イルカの微笑み」をイメージした前面デザイン。
下の部分の意匠が口のように見えてユニークで、かつて走っていた「リゾートサルーン・フェスタ」を彷彿とさせますね。

ホームドアを意識した側面デザインは、ウォーターフロントの水辺の空間を表現。
構体は総合車両製作所のブランド「sustina」仕様で雨樋がないスッキリした見た目が、E235系のようにも見え、E233系とは違った印象があります。
実は設計のベースになったのはE233系の兄弟車である相鉄の12000系だそうです。敢えてE235系ベースとしなかったのは、71-000形の設計当時ではINTEROS(列車情報管理システム)とATACS(無線式列車制御システム、埼京線内で使用する保安装置)を両用することができず、新たに開発する必要があったためとのこと。相鉄12000系も含めて埼京線はE233系シリーズで揃えられており、おそらくは保守的にも有利だったのでしょう。
あ、言い忘れていましたがもちろん幅広車体です。混雑激しい区間を走るため助かります!
基本的に乗客は上半身にカバンやリュックを抱えることが多く、これが幅狭車体だと足元が入っても上半身の部分でつかえてしまい、最悪の場合はドアの外にはみ出てしまうこともありますが、幅広車体は足元さえ車内に収まれば、上半身にドアが当たることが無いので地味に助かります。

機器類はE233系ベースのものを使用、奇抜な外観とは裏腹に手堅く仕上げています。
主要機器類は二重系化され、故障しても走行が継続でき、輸送安定性を高めています。
正直に言ってしまえば「型落ち」品となってしまうわけですが、最初のデビューから19年経った今も製造が続けられているE233系シリーズの完成度の高さが窺い知れます。


一方コンプレッサーはE235系と同形の「VV180-T 2.0」を搭載。
ドイツのクノールブレムゼ社製で、見た目がごつごつしてイカついのが特徴です。
埼京線には相鉄12000系も乗り入れており、E233系ベースの車両が多いですが、目隠しされてもそれぞれのコンプレッサー動作音で聞き分けることができます。
E233系:動作中はブーーーンと唸る普通な感じ、終了時のドレーン吐出音がクシャミみたい
12000系:金属感のある独特な甲高い音。よく響くのでわかりやすい。
71-000形:12000系より低い音、静かめ

内装は、上質感と高級感をイメージしているそうで、吊り革のネイビー色がアクセントになっていますね。
妻壁部分は70-000形の木目調をオマージュしているそうで、海の波の揺らぎを表現しています。
キリッと引き締まった印象を与えていますよね。

細かな部分で言えば、ドアの鴨居部に付けられた手掛けが素晴らしいです(E233系には無い設備)。
直通先の埼京線は、池袋・新宿・渋谷といった巨大都市を抱えているだけあって、朝夕の通勤だけでなくレジャー客も集中し、昼夜問わず苛烈な混雑となっていますが、このドアの手掛けは混雑している時にすっごく助かるんです。
という経験談をほぼ車社会の久留米のビコム社内で話してもなかなか納得してもらえず…。
西鉄9000形にもドア鴨居部に手掛けがあるのですが…
ちなみに案内表示は4ヶ国語に対応しているようです。(画像は中国語を表示中)

そして、この非常通話装置もありがたい設備です。
先代の70-000形にもSOSボタンはありますが、あくまでブザーを鳴らして乗務員に「何号車で異変がある」と知らせるだけで、通話をすることは不可能でした。そうすると、仮に急病人が出たとしても、状況を乗務員に伝えることができず、対応が遅くなってしまいます。
この非常通話装置のおかげで急病人の体調面もそうですが、駅での受け入れ準備、その後のダイヤ遅れなどの対応も速やかにできることが期待できます。

こちらは6月ごろに搬入されたZ12編成。

営業運転では無い通勤快速・東京テレポート行きの表示を披露していました。E233系に比べて精細な表示が特徴で、種別側は黒の縁取りもあり読みやすいです。
そういえば昔お台場は「東京テレポートタウン」と呼ばれていたそうですが、いつしか言われなくなってしまいました。というか調べ物をしていたら初めて知りました…。
堅い表現で言うと「臨海副都心」と呼びます。りんかい線も2000年までは「臨海副都心線」という路線名で、乗客からは「臨副(りんふく)線」はたまた「副都心線」などと呼ばれていたようです。お台場について調べ物をするついでに、お台場を題材にした映像作品をいくつか見たのですが、作品名はここで申し上げてもアレですが、お台場をお台場たらしめた伝説的なドラマ作品を見ていたら登場人物が「副都心線に乗る」というセリフを発していました。今では「臨海副都心」の名は首都高のインター名に残すぐらいです。
そして「お台場」の愛称を広めたのはなんと石原慎太郎 元知事とのこと。この方はあわや「ゆめもぐら」になりかけそうになった都営12号線に「大江戸線」の名を与えたことでも知られています。

首都圏の鉄道車両は、大量の車両をローコストで一気に導入しなければならず、どうしても画一的なデザインになりがちですが、ベースは合わせつつもりんかい線らしいオリジナリティあふれる車両に仕上げたのが素晴らしいです!
デビューは秋頃ということで、いちファンとして営業開始が待ち遠しくて仕方ありません!

余談:
筆者は東京在住時代、埼京線やりんかい線には結構お世話になっていたのですが、久留米に来てからりんかい線の新型車両が発表され営業運転を開始することがちょっと悔しい反面、鉄道映像をお届けするビコムに入ったことで、今度は仕事として関わることができて嬉しいです。

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